3Dモデリング・造形・試作

3Dデータがなくて3Dプリンター造形を依頼できない ― スキャン・モデリングからの一括対応で解決

課題3Dプリンターで立体物を作りたいが、社内に3Dデータがなく、依頼に踏み切れない
原因3Dプリンターはデータがなければ動かないため、「データを用意するのは依頼者側の作業」と受け取られているため
解決策現物からの3Dスキャン/スケッチ・参考画像からの3Dモデリング/アイデア段階からの工法検討
効果データ作成の内製・外注手配が不要になり、検討段階から造形・仕上げまでを一本化できる

ご相談内容

「3Dプリンターで造形物を作りたいが、3Dデータがないので頼めないと思っていた」

このようなご相談をいただくことがあります。「データを用意してから連絡しよう」と考えたまま、そこで止まってしまっていた、というケースです。

なぜ「データがないと頼めない」と思われるのか

3Dプリンターは、造形するための3Dデータがなければ動きません。この前提自体は正しく、「3Dプリンター」で検索して出てくる情報の多くも、データが手元にあることを前提にした内容です。プリンター本体の販売ページか、入稿されたデータを造形するサービスのページが中心になります。

そのため、データ作成は依頼者側で済ませておく工程だと受け取られやすくなります。

しかし、「今データがない」ことと「造形物を作れない」ことは別です。ツジカワでは、データ作成そのものを含めてご依頼いただくことが可能です。 出発点になるのはデータではなく、完成イメージを伝えるための情報です。

ご提案する3つのアプローチ

1. 現物がある場合|3Dスキャンでデータ化

3Dスキャナーで現物の形状を読み取り、デジタルデータに起こします。リバースエンジニアリングとも呼ばれる手法です。

  • 製造データが残っていない廃番品・絶版品を、現物から復刻したい
  • 既存製品をベースに、一部だけ形状を変えたい
  • 陶器や木彫りなど、そもそもデータが存在しないものを複製したい

スキャンで得たデータは、そのまま造形に使えるとは限りません。ノイズや欠損が生じるため、造形用に整える作業が必要です。あわせて、形状の修正、運搬・設置のための分割設計、強度を確保する芯材の設計、自立しない形状への土台設計といった調整も行います。

スキャンの方式は対象物のサイズ・材質・要求精度によって適否が分かれます。案件に応じて協力会社とも連携し、最適な手段を選定します

2. スケッチ・参考画像がある場合|3Dモデリングから依頼

3DCAD・3DCGソフトを用いて、立体形状を起こす工程からご依頼いただけます。

  • 自社のキャラクターやマスコットを立体にしたい
  • イラストやロゴしかないが、それを立体物にしたい
  • 映像用のCGデータを、造形できる状態にしたい
  • 途中まで作ったデータの仕上がりに納得できていない

ツジカワは創業以来の金型設計・製造で培ったモデリング技術を持ち、形状の性格に応じて複数のソフトウェアを使い分けています。「造形は自社で行うので、モデリングだけ頼みたい」というご依頼も承っています。

3. アイデアだけの場合|作り方の検討からご相談

実のところ、最も多いのがこのパターンです。作りたい意向はあるが、サイズも素材も予算配分も決まっていない。

この段階でご相談いただく利点は、作り方そのものを一緒に検討できることです。用途・サイズ・仕上げ・予算・納期を整理しながら、適した工程をご提案します。

たとえば「展示会に置く大きなオブジェを作りたい」というご要望に対し、予算の制約から3Dプリンター造形が最適解にならないこともあります。その場合は協力会社と連携し、バルーンやパネル、布への印刷といった別の手段をご提案します。

あると進行が早くなる情報

情報補足
ラフスケッチ正面・側面・上面など複数角度が理想。ラフで構いません
希望サイズ小さい造形物は細部がつぶれるため、簡略化の提案を行う場合があります
用途内部構造の要否・必要強度が変わり、造形方法の選択に影響します
仕上がりのイメージ見えない部分を簡略化することで、費用を抑えられる場合があります

すべてが揃っている必要はありません。打ち合わせや、作成したモデルを確認しながら詰めていくことができます。

事例|決まっていたのは「モチーフ」と「納期」だけ

コシノジュンコ氏の作品「対極の美 ー無限に続く円ー」は、まさにこの状態から始まった案件です。

最初のご相談時に決まっていたのは、ショーで使用したドレスをモチーフにすることと、約4ヶ月後という納期の2点のみ。デザイン案も3Dデータも存在していませんでした。

お預かりした実物のドレスを起点に、寸法を測定してモデリングを開始。着用状態でなければイメージに近づかないと判断し、モデルに着用いただいた状態でスキャンを実施しました。完成イメージの共有には、平面資料だけでなくミニチュアサンプルを先行制作し、予算規模に応じた複数パターンとあわせてご提案。最終デザインは、これを受けてコシノ氏が描かれたラフスケッチを基幹として決定しています。

完成した作品は台座450cm×450cm、高さ600cm。除幕式ののちには、同じデータをもとにした1/4スケールのミニチュアも追加で制作しました。一度立体データを作れば、サイズや用途を変えた展開ができるのも3Dプリンター造形の利点です。

まとめ

  • 現物がある → 3Dスキャン(リバースエンジニアリング)でデータ化
  • スケッチ・参考画像がある → 3Dモデリングから依頼
  • アイデアだけある → 作り方の検討から相談

「データがないから頼めない」と諦めていた方も、ぜひ一度ご連絡ください。
ツジカワでは、アイデアや現物サンプルを持ち込んでいただいた段階から、データ作成・造形・仕上げまでを一貫してお手伝いしています。