勇者だけが引き抜けるアイス、作ってみた。JPDA学生賞2025「EXCALIBAR~抜かれし冷剣~」具現化ストーリー
こんにちは!ツジカワです。
先日、日本パッケージデザイン学生賞2025の大賞作品「食べごろ動物園」具現化について取り上げました!
今回は、ツジカワ賞を受賞した「EXCALIBAR~抜かれし冷剣~」の具現化についてご紹介していきます!
日本パッケージデザイン学生賞2025 銀賞・ツジカワ賞:「EXCALIBAR~抜かれし冷剣~」
ツジカワ賞は、香川大学 山崎 樹乃さんの作品
「EXCALIBAR ~ 抜かれし冷剣~」

作品コンセプト
皆で食べる箱アイスに、FUNをプラス。伝説の剣「エクスカリバー」を抜く体験を、棒アイスで表現。エクスカリバーは6本のうち1本だけ。どっちの剣を抜いたか、食べてみてはじめてわかる。
選び、選ばれる、パッケージ。
『これは、加工したい…!』
審査会に参加させていただいたツジカワ社員全員が心打たれました。
パッケージの完成度が既にとても高いからこそ、ここに箔押しやエンボスを入れることでもっと素敵なパッケージにできるはず。夢が膨らみます。
エクスカリバーをアイスの棒に見立てるという着眼点も素敵すぎる。
絶対当てたい、エクスカリバー。
しかも「EXCALIBAR ~ 抜かれし冷剣~」は、銀賞とツジカワ賞のW受賞!
ツジカワ社員だけでなく、審査員のデザイナーの方々からも非常に高い評価を受けていました。

結構複雑、六角形の箱
具現化に際して、山崎さんとミーティングを行い、作品に対する思いや大切にしているポイントなどを伺いました。
制作されたデザイン案やモック、コンセプトボードを共有いただき、しっかりと世界観が作り込まれていることがわかりました。

箱の形が六角形の上、アイスを入れる機構がついていたり、ミシン目が入っていたりと要素は結構複雑。
しかし我々には、毎年お世話になりまくっている株式会社泰清紙器製作所様がいる…!
さっそく泰清紙器様とお打ち合わせし、形状確認用のサンプルを製作いただきました。

加工方法の検討
形状が決まったところで、泰清紙器様から箱の展開図を共有いただき、印刷用のデータを作っていきます。
オンラインミーティングにて山崎さんの希望を伺いつつ、
ツジカワがどこまで加飾するか、どこにどの技術を盛り込むか決めていきます。


加工方法が決まったら、カラー印刷部分のデータを作ります。
カラー印刷したい部分の絵柄を展開図に配置して、色校正を行いました。

色が決まれば本番入稿!泰清紙器様にて用紙にカラー印刷をしていただきました。

箔押し・エンボス加工
さて、ここからが具現化のクライマックス。
泰清紙器様からオンデマンド印刷いただいた紙を、ツジカワの工房で加飾していきます。
今年は箔押しの範囲が広いぞ!!!
版の紹介











パッケージに特殊加工を施す!
加工してくれるのはもちろん、箔押しマイスター・ワタナベ。

箱側面の加飾
山崎さんのデザインを再現した色味はもちろん、箔の種類を変えたりして、様々な表現を試していきます。



側面の加飾完了!

箱天面の加飾
側面に引き続き、天面にも装飾を施していきます。

模様にもエンボスを加えて、更に高級感をアップ!

天面も完成です!

加飾済みの紙を泰清紙器様にお送りし、周囲のカット・組み立てをしていただきました。

アイスを作る!
箱は完成したものの、具現化はまだまだ終わりません。
アイス部分のモックを3Dプリンターで作っていきます。
まず、山崎さんからアイスと棒のラフスケッチをいただき、アイスの3Dモデルを作成しました。
いただいたイメージを基に、3Dデータを作成!

データの形状を山崎さんに確認いただき、3Dプリンター(FDM機)で造形しました。
剣の部分は光沢のあるシルバーの材料、アイスの棒部分は木材が練り込まれている材料を使用するなど、質感にもこだわりました!

よし、かっこいい勇者の剣も完成だー!、、、と喜んでいたところ、社内からこんな声がありました。
「口に入れる想定やから、当たりの剣先は丸い方がいいんちゃう?」
……たしかに。
見た目のかっこよさは大事。でも、尖ったままだと「危なそう」という印象が先に立ってしまい、作品本来の楽しさやコンセプトが伝わりにくくなってしまいます。
山崎さんも、ラフスケッチには「尖ると危ないから少し丸みをつける」と書き添えてくださっていました。作品を考えたご本人も、安全面までしっかり考えられていたんです。そこで今回は、その想いも大切にしながら、世界観を損なわない形で剣先を丸めることにしました。
まずは3Dデータ上で剣を丸く研ぎ、再度丸い剣の造形を行いました。
アイス造形が終わったら、アイスの周りに巻く紙を作っていきます。
駅前の自販機でセブンティーンアイスを購入。紙の厚みや質感を観察しました。

セブンティーンアイスの紙は厚手のつるつるした質感だったので、厚めの耐水紙を購入しました。
山崎さんからいただいたアイスの紙のデータをプリントし、手作業でカットしていきます。

EXCALIBAR一式が完成!!

めちゃくちゃ豪華な仕様の箱が出来上がりました!!!
この1箱に、「彫刻版による箔押し・エンボス、腐食版による箔押し・エンボス・マジックエンボス、3Dモデリング・3Dプリンター造形」ツジカワの技術がふんだんに盛り込まれています。




完成品をお渡し
完成した箱とアイスのモックを山崎さんにお送りし、具現化についてのコメントをいただきました。


山崎樹乃さんからいただいたコメント
パッケージ具現化に際して、ツジカワさんが持っている技術を存分に発揮してくださって、とてもうれしかったです。
Zoomの打ち合わせでは、ツジカワさん内で活発に議論し合っていた様子を見て、プロとしての熱とこだわりをこの作品にも持っていただけていたのが伝わってきて、それがすごくすごくうれしかったです。
資料や箔押しの動画を拝見させていただき、今私の手元に届いたパッケージがどうやって形づくられたかを見られたのにはやはり感慨深いものがありました。箔押しも様々な箔を試してくださって、箔によって違う顔を見せてくれました。
このパッケージ具現化が、ここにいる1人の人生の宝物になったことを皆様に知ってもらえているとうれしいです。この経験と、このパッケージは私の未来にとってきっと心強い味方になってくれると感じています。パッケージ具現化のために時間と熱を注いでくださったツジカワの皆様、本当にありがとうございました!
人生の宝物、、!!具現化チーム全員がほろりとしました。
山崎さんには何度もお打ち合わせやデザイン案作成をお願いし、その度に丁寧にご対応いただきました。
お忙しい中本当にありがとうございました!!
ツジカワ一同、山崎さんの今後のご活躍を願ってやみません!!!
まとめ
こうして完成した「EXCALIBAR ~抜かれし冷剣~」。学生さんのアイデアとこだわりが詰まった作品だからこそ、「この世界観をもっと引き立てるには?」を考えながら具現化に取り組む時間は、私たちにとっても本当に楽しいものでした。
ツジカワの加飾技術が活きるのは、そこに「もっと魅力を引き出したい」と思えるデザインがあるからこそ。素晴らしいアイデアやデザインに出会うたび、私たちのものづくりへの想像もどんどん膨らんでいきます。
今回も、山崎さんの作品からたくさんの刺激をいただきました。改めまして、ツジカワ賞・銀賞のW受賞、おめでとうございます!
学生の皆さんとの取り組みはもちろん、日々デザインに向き合うデザイナーの皆さんとも、「このデザインをもっと魅力的にしたい」という想いを共有しながら、一緒にものづくりができれば嬉しく思っています。
「こんな表現はできる?」「このデザインに合う加工は?」そんなご相談も大歓迎です。また皆さんの素敵なデザインと出会い、一緒に形にできる日を楽しみにしています。





















