デザインの新境地!マジックエンボスで広がる箔押し表現箔押しのアイデア、マジックエンボスでもっと膨ましちゃおう!
今回は「マジックエンボス」について取り上げていきます!
マジックエンボスとは、「立体じゃないものを立体に見せる」ことができるツジカワのデータ作製技術です。
この技術を用いた版で箔押しを施すと、箔の輝きがまるで立体物のように奥行きと存在感を演出します。
「印象に残るデザインを生み出したい」とお考えの方に、ぜひ知っていただきたい技術です!
箔押しは、ハンコで箔を紙に押し付ける加工のため、通常であれば加工面は凹みます。
しかし、マジックエンボス版では加工面が出っ張って見えるのです。
(※そう見える、というだけで実際には通常の箔押しと同じく押し込んでいます。)
また、凹凸版で挟み込んで立体感をつけるエンボス加工とも違い、
あくまで箔押し印刷のみなので、裏面は凹みません。
この「立体的に見せる」やり方、というのは実は色々と方法があります。
実際のデザインとかけ合わせたときにどうなるのか、実例とともにご紹介いたします!
刺繍のような立体感!パッケージを彩る情熱の赤いバラ!
こちらは2024年10/2~10/8に心斎橋パルコ4F スキーマギャラリーにて開催されていたパケクション!の「パッケージング・オールナイト」展に出展されていた馬場良人様の作品「ツッパリHigh School パックにボトール(学ラン編)」です。
公益社団法人 日本パッケージデザイン協会会員で構成するパッケージデザイナーグループ。毎年趣向を凝らしたパッケージデザイン展覧会を開催。2012年に設立以来、パッケージデザインの可能性を探究されています。
本展示会のテーマが80年代ということもあり、ロックンロールな香水ボトルのパッケージをデザインされました。
ツジカワは箔版・エンボス版・3Dプリンター造形でご協力しております。
内側は全面マジックエンボス版による箔押しです。
学ランに入っている刺繍のような箔押しを施したい、というご希望から弊社で刺繍のように見えるようなパターンを入れ込みました。
実際にいただいたデータはこのようなものです。
このデータをもとに、ツジカワでイメージに合わせたデータ作成や版作成を行いました。
箔押し+エンボス加工との比較
こちらの学ランのボタンは、微細なパターンが入った箔押し版(彩光腐食版)で箔押し後、エンボス加工を施してあります。
箔押しとエンボスをかけ合わせることで、エンボスが箔押しの輝きを引き立てる相乗効果が生み出されます。
しかし、バラの箔押しのように、広範囲の場合は版代・加工代が高価になる(箔版代+エンボス版代)うえに、合紙じゃない場合は裏側にエンボスのあとができてしまいます。
そういったときにはマジックエンボスも、ぜひ選択肢として持っていただきたいです!
ロゴにも使える!王冠の凹凸表現!
日本パッケージデザイン協会(JPDA)が主催する日本パッケージデザイン学生賞2025のトロフィーボックスへの箔押しにマジックエンボスを採用いただきました!
ロゴマークである瓶の王冠をマジックエンボスで立体的にしあげました。
通常の箔押しと比べてみると、ふっくらとした立体感が付与されているのが分かると思います。
企業ロゴのように形状が固定されたデザインでも、ひと味違った表現で注目を集めることが可能です。
直線的なモチーフも!デザインのひきだし46表紙を飾ったチョコレート
1000パターン表紙で話題になったデザインのひきだしNo.46。実はここにもマジックエンボスが隠れています。
表紙真ん中のチョコの部分。こちらもマジックエンボスの技術でチョコを立体的に見せているのです。
こちらのデータ、もともとはこのような画像データでいただいておりました。
このように、画像データからであっても、データ作製を行うことが可能です。
プニプニしたくなっちゃう!肉球を箔押しで再現!
チョコレートのように直線的なモチーフだけでなく、ふんわりとふくらむような、有機的なカーブのあるモチーフにもマジックエンボスはうってつけです。
猫の肉球をマジックエンボスで表現してみました!
マジックエンボスで箔押しのアイデア、もっと膨らむ
マジックエンボスは(比較的)最近確立した技術のため、まだまだ世に知られていない加工です。
ツジカワとしてもその可能性を模索中であると同時に、もっと沢山の方に知ってもらい、我々が思いも及ばないような使い方をどんどんしていってほしい!と考えています。
「箔版」「エンボス版」ってだけでマニアックな世界なのに、「エンボスに見える箔版」って何なの・・・?!という話なのですが、あまりむずかしく考えずに、こんなことできますか~とお気軽にご相談いただければ幸甚です。
あなたのそのアイデア、マジックエンボスでもっと膨らむかもよ!!