フィルムの貼り合わせが安定しない ― 専用治具の製作で解決
| 課題 | OCAフィルムや飛散防止フィルム、光学フィルムの貼り合わせで、位置精度が安定しない。気泡や異物の混入が発生する |
|---|---|
| 原因 | 貼り合わせの位置決めと接触の順序が、作業者の手の動きに委ねられているため |
| 解決策 | ワーク形状に合わせた貼り合わせ治具の製作 |
| 効果 | 位置決め精度の安定、気泡・異物混入の低減、作業者による仕上がりのばらつきを抑制 |
ご相談内容
「フィルムの貼り合わせを手作業で行っているが、位置ずれや気泡の発生が一定の割合で出てしまう。作業者によって仕上がりも変わる」
スマートフォンやタブレット端末などのタッチパネル機器には多くの貼付部品が使用されており、高精度の貼り合わせが要求されます。ゴミの付着・気泡混入の防止、精度の高い位置合わせのために、貼り合わせ治具が使用されています。
なぜ貼り合わせは難しいのか
やり直しがきかない加工だからです。
OCAをはじめとする光学用の粘着材は、一度接触すると剥離時にフィルムが伸びる、粘着面に異物を巻き込むなどのリスクがあり、貼り直しは現実的ではありません。つまり、接触する前に位置決めが完了している必要があります。 手で持って位置を合わせながら近づける方法では、この条件を満たせません。
もうひとつは接触の順序です。フィルム全面を同時に接地させると、逃げ場を失った空気が気泡として残ります。中心から外周へ、あるいは一端から順に接地させる動きが必要ですが、これを手作業で毎回同じように再現するのは困難です。
作業者の熟練度に依存する工程は、教育にも時間がかかります。
解決策|貼り合わせ治具の製作
ワークの形状と工程に合わせた治具を製作することで、位置決めと接触順序を治具側で規定します。設計にあたっては、次の要素を検討します。
位置決めの基準をどこに取るか
外形基準か、穴基準か、印刷やパターンとの見当か。製品によって最も精度を要求される箇所は異なります。基準の取り方が仕上がり精度を決めます。
接触の順序を形状で制御する
貼り合わせ面にわずかな曲率を持たせる、片側から倒し込む構造にするなど、空気が抜ける方向を形状で規定します。作業者が「気をつける」必要をなくすことが目的です。
材質の選定
アルミ、樹脂など、要求される精度・重量・耐久性に応じて選定します。光学部品を扱う工程では、ワークに傷をつけない表面性、静電気による異物付着への対策も検討が必要です。
現場での使いやすさ
セットしやすさ、取り出しやすさ、目視確認のしやすさは、実際の生産性を左右します。精度が出ても、扱いにくい治具は使われなくなります。
導入後の変化
- 位置決め精度が安定し、作業者による仕上がりのばらつきが減少
- 接触順序が規定されることで、気泡の混入が低減
- 作業手順が単純化し、教育にかかる時間を短縮
最後に
ツジカワではお客様のご要望・お困りごとに合わせたバリエーション豊かな治具を設計から製作まで手掛けています。
「この形状で治具が作れるか」「今の工程のどこを治具化すべきか」といった段階でのご相談も歓迎します。現物やデータを拝見したうえで、ご提案いたします。
貼り合わせ工程のお困りごとがあれば、ツジカワにご相談ください。
